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福岡家庭裁判所 昭和40年(少)1714号・昭40年(少)2531号

主文

少年を福岡保護観察所の保護観察に付する。

理由

(罪となるべき事実)

少年は

第一、A(一七歳)、B(一八歳)等と共謀のうえ、昭和四〇年二月○日頃の午後八時頃、福岡市○○○の○パチンコ店前において、通りがかつた店員C(一八歳)を呼び止め「金がなくなつたから困つている。時計を貸してやれ」と申し向け、右要求に応じなければいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して同人を畏怖させ、よつて、その頃同市○○○町公団住宅横路上において、同人から腕時計一個(時価約七、〇〇〇円相当)の交付を受けてこれを喝取し

第二、右Aと共謀のうえ、同月下旬頃の午後一時頃、同市○○○の○○会館パチンコ店横路上において、会社員笠○喜(一八歳)から前項同様の方法により腕時計一個(時価約五、〇〇〇円相当)の交付を受けてこれを喝取し

第三、法定の除外事由がないにも拘らず、同年三月○日午後八時頃、福岡市大字○○××××番地の自宅において、刃渡約二〇糎の七首一振を所持し

第四、右A、Cと共謀のうえ、同月△日午後六時頃、同市○○○の○喫茶店内において、高校生○地○子(一七歳)から前記第一項同様の方法により腕時計一個(時価約六、〇〇〇円相当)の交付を受けてこれを喝取し

第五、同月×日午後三時頃、前記○喫茶店内において、右○地○子から前項同様の方法により腕時計一個(時価約七、〇〇〇円相当)の交付を受けてこれを喝取し

第六、右A、Bと共謀のうえ、同月○○日午後九時頃、前記○喫茶店内において、○橋○道から同人が他から窃取してきた登山用テント一枚(時価約一〇、〇〇〇円相当)をこれが賍物たるの情を知りながら貰い受けて収受し

第七、○崎○○郎(二一歳)、D(一七歳)、E(一七歳)と共謀のうえ、同年四月○日午後五時過頃、福岡市×××○○商会前路上において、○口○夫(一九歳)を殴つたり蹴つたりして、同人に対し加療約五日間を要する左側頭部・顔面・右手打撲傷・上口辱部裂創の傷害を負わせ

たものである。

(尚、本件送致事実中、前記認定事実以外のもの、即ち、本件記録中の検察官作成送致書によつて引用されている昭和四〇年八月一一日付司法警察員中野恵作成名義の少年事件送致書添付の事件犯罪表中、番号9、18、27の各恐喝の事実および番号14、26の各暴行の事実については、いずれも犯罪の証明十分とはいえない事案であるから本件保護処分の根拠としない。)

(右事実に適用すべき法令)<省略>

(要保護性)

少年は昭和四〇年五月四日福岡家庭裁判所において、傷害保護事件(前記第七の事実)により中等少年院送致決定を受けたところ、保護者父より抗告の申立があり、同年六月七日福岡高等裁判所において、原決定を取消し、本件を福岡家庭裁判所に差し戻す旨の決定があつた為に前記七の事実について当裁判所に係属するに至り、更にその後、少年に対するその余の前掲事実について恐喝、銃砲刀剣類等所持取締法違反、賍物収受、暴行の罪により、福岡地方検察庁検察官から送致され、当裁判所に係属するに至つたものである。

尤も、前掲第一ないし第六の事実はいずれも前掲第七の事実に関する福岡家庭裁判所の昭和四〇年五月四日付決定および福岡高等裁判所の同年六月七日付決定の中で既に実質的に考慮されていたものと認められる。

さて、本件差戻後五ヵ月余の少年の行状は比較的良好であり、その点からみても最早施設収容の必要は認められないが、本件社会記録によつて明らかな少年の非行歴、資質、環境等諸般の状況に鑑み、相当期間保護観察に付することが少年の健全な育成を期するうえに必要であると認められる。

よつて、少年法第二四条第一項第一号、少年審判規則第三七条第一項に則り主文のとおり決定する。

(裁判官 小林隆夫)

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